「組織は戦略に従う」(著:アルフレッド・チャンドラー)とは、戦略が先にあり、それに伴いあるべき組織像が導き出されるという経営学上の有名な命題である。しかしビジネスの場面においては、組織を作ることそのものが戦略になってしまっているケースが往々にして見られる。例えば、次のような例だ。
ある企業では、法人営業部が順調に売上を伸ばしていた。営業スタッフは少数精鋭だったのだが、顧客数の増加に伴って担当一人当たりの負荷が大きくなっていた。営業部隊の目的は新規顧客の開拓だったのだが、既存客へのフォローが不足し、解約が目立つようになってきた。そこで、アフターフォローを行って解約率を下げることを目的とした「カスタマーサポート部」を組織化することにした。
だが、新部門を立上げて数か月経過しても、状況に変化はなかった。現場を観察・分析してみたところ、営業担当者によって顧客との契約スキームがバラバラになっており、カスタマーサポート部では実質的にフォローし切れないことが判明した。結局は担当営業に相談することになり、新部門は機能しなかった。当社にとっての課題は、アフターフォローを行う組織の立上げではなく、サービスや業務の標準化であったわけだ。
ある企業では、法人営業部が順調に売上を伸ばしていた。営業スタッフは少数精鋭だったのだが、顧客数の増加に伴って担当一人当たりの負荷が大きくなっていた。営業部隊の目的は新規顧客の開拓だったのだが、既存客へのフォローが不足し、解約が目立つようになってきた。そこで、アフターフォローを行って解約率を下げることを目的とした「カスタマーサポート部」を組織化することにした。
だが、新部門を立上げて数か月経過しても、状況に変化はなかった。現場を観察・分析してみたところ、営業担当者によって顧客との契約スキームがバラバラになっており、カスタマーサポート部では実質的にフォローし切れないことが判明した。結局は担当営業に相談することになり、新部門は機能しなかった。当社にとっての課題は、アフターフォローを行う組織の立上げではなく、サービスや業務の標準化であったわけだ。